何万分の1の星になる

ジャニーズ話の雑記帳

題名のない本の、次の章が開かれて -24時間テレビによせて-

 

 ここに一冊の本がある。

8年前に発刊されたこの本は、不思議なことに時間がたてばたつほど読めるページが増えていくぶ厚い本である。どうやらHey! Say! JUMPというグループの歴史について書かれているらしい。

 題名もなければ、章にタイトルもついていない。自分たちで思い思いのものをつけろということなのか。

今読めるのは四章までで、時代わけは以下のようになっている。

序章 (結成まで)

第一章(デビュー初期)

第二章(2009-2011)

第三章(2012-移動前)

第四章(移動後-24htv終了まで)

第五章

第五章は始まったばかりのようだ。まあいい。私が話したいのは第四章の最後のほうのことなんだから。

 

第四章には、派閥を移籍し露出が増えていった彼らが、レギュラー番組を獲得したり、チャリティー特番のパーソナリティをつとめたりしたさまが記されている(詳しい内容やあらすじはいままでの話を読んでくれればわかる)。メンバーの山田が「第二のデビューシングル」だとコメントし世に放たれた「RideWithMe」やファンの投票企画で1位となった「ComeOnAMyHouse」が発売されたあたりからスタートし、章のラストは、その特番――名前を「24時間テレビ」という――のパーソナリティをつとめ、取り組み、本番が終わるまでについて書かれている。

 

さて、「爆発期を逃してきた」そして今「売れるしかなくなった」状況の渦中にある彼らは、どのような夜明け前を迎え、我々にその姿を見せてくれたのか。

 

"See you sooner than you think..."

始まりはいつも唐突である。

2015年4月5日、日曜日。JUMPのWeb連載の更新日。この日の当番になっていたメンバーは、英語を武器にアイドル界を切り開く男、岡本圭人だった。冒頭の言葉はそんな彼がその日の投稿の最後にしたためていたフレーズだ。いつもは「See you」とお決まりのキスマーク(xxx)で終わらせている彼なのだが…。とはいえほとんどの者は、そんなこと気にもとめずに自分で自分の誕生日を文章の中で祝う彼をめでていた。

「あなた方が思っているよりも、早くね」

…どれほどの人が彼のシャレたメッセージの真意を読み取っていただろうか。彼らが24時間テレビのメインパーソナリティをV6と共につとめると発表されたのは、まさにその日の晩だった。かくして4ヶ月半にわたる戦いは火蓋を切って落とされたのである。 

 

JUMPメンバーそれぞれについて、この章を読んで思ったことを書いていく。

そして、今回と今後のJUMPについて総括したい。

 

山田涼介

やはり彼は努力をもってして磐石となった印象だ。バラエティコーナーや随所の瞬発力は1番慣れていて、はずれがない。みていてはらはらしないのだ。それはやはり、他のメンバーより露出が多かった時期が確実に彼のものになっているからだと思う。感動したシーンはやはり、24時間テレビ恒例のドラマである。「山田君だけど山田君じゃない」儚くもろい感じがありありと見えて、胸が震えた。悲しいことに、ジャニーズだからと世間から過小評価を受けているのは彼も同様だと思っていて、彼の演技力は中島とは別の方向性の魅力がある。これで気になってくれた人たちがグラスホッパーを見に来てくださることを願わずにはいられない。見ていてうれしかったのは笑点の山田君。

この日ほど彼の苗字とメンバーカラーに感謝した日はない。着物が良く似合っていた。

 

知念侑李

 一番空気を読むのに長け、頭の回転が速い(ビバナイ前に出て歌うのにはさすがにびびったけどファン的にはファインプレー)。なぜか彼に対して睡眠を良くとるイメージを持っているんだけれど、この番組においてどの時間帯でも(表情ではなくて)コメントが一番安定していたと思う。というのも、バラエティやマイクを向けられたときには的確な発言をして、感動VTRエリアではいい表情をしていたから。自分からボケツッコミしたり、積極的に切り込むタイプではないのだろうけれど、常に周りの状況を見ているんだなあと感じた。志村けんさんとのコントをみていても、吸収が早い人だなあって。世間から見たらちいさいい、かわいい、運動できる、なんだろうけど、トークの部分を見いだされれば強いなあと思った。

 

和太鼓パフォーマンス

まず克くんを真ん中に据えた演目であったことに感動した。彼の一声で音楽が動き出したときに鳥肌が立った。私は打楽器経験があり、鼓面を打った後の反動処理の難しさが分かっているので、克くんは大変なことに挑んだな、と言う印象。最後中心の大太鼓を堂々とたたく彼の背中は、あの集団の中でも最も小さいはずなのに、最も広く大きく感じた。何より演目として高いレベルで成立していて、「炎」というタイトルにこれほどふさわしい躍動感はないのではないかと思ったほど。

 

中島裕翔

端麗、そして高雅。たたずむ様には気品があり、ちょっとした立ち回りさえ美しい。しやがれで彼の行動*1の理由を弁解する様子も、「正直」「まっすぐ」な印象。ある種のいやらしさを感じないのである。「ゆとり」と揶揄される世代の集団だからこそ、彼の「溶け込む力」「上品さ」はJUMPの心象(心証?)を悪くしないために有益に働くはずである(ともすると「超面白い中島裕翔(メンバー談)」が世に知られない悔しさが残るが)。

さて、和太鼓パフォーマンスだが、もともとドラムやっているということであまり心配していなかった。もちろん楽器の特質は違うんだけど、リズム感がいいためだ。楽しそうに叩くから見ていてこっちもワクワクする。

 

八乙女光

キャラクタスイッチャー。和太鼓パフォーマンスのときは、私がファンになってから5本の指に入るレベルでかっこいい「光くん」だった。このパフォーマンスを見た後ぼう然としてしまった理由はいくつかあるのだけれど、からだが動かなかったのはひきつけられてしまったからだ。三味線を奏でる手先に。旗をふる表情に。隆々とした筋肉に。先日みたTV誌の発言にも驚いた。指が痛くなったとか、そんなところ1mmも見せなかったじゃないか。心を没入させるために三味線を買ったところも彼らしいなあと感じた。とはいえ嵐にしやがれのにゃんにゃんと笑うおなごのような様子は、視聴者の心をとまどわせたに違いない。ヒルナンデスであれだけ安定の八乙女といわれているのにね(笑いが「デキる子」だと思われている)。「ひかにゃん」な光くんも好きなのだが、「光くん」が求められているときはそうであってほしいな、なんてことを思っていた。

 

岡本圭人

彼の「才」が、彼の「人柄」が日の目を見るときがきたのだ。まずはしやがれ。ワクワクで成立させた「Sorry芸」を堂々とキラキラした瞳でやられたらこちらもニコニコ見守るしかない。自分を過小評価している彼だからこそ全部肯定で受けとめてあげたくなる。彼が自信を持って、周りも彼を頼ってバラエティで立ちまわれるようになればJUMPはきっともっと面白くなるんじゃないだろうか…。そんな未来を描きたくなった。彼が関わった企画(足のない女性のパフォーマンス)で光ったのは通訳だった。同時通訳のスピード*2と通訳さんとの通訳合戦にTLがざわつく。確実に爪あとをのこしたんだと、心の中でガッツポーズした。つよく、強く。

 

伊野尾慧

仕掛けた爆弾が確実に爆発し、心を射止めた。一般視聴者に対してもリーサルウェポンは牙をむく。サメ丼ロケでの礼儀云々の議論はおいておくにせよ、彼の飄々としたキャラクターはファンがフィルターかけてみたときと、外野から見たときだと違うんだろうな、と感じた。DIY企画はとてもよかった。ファンやっててうれしい瞬間っていくつもあると思うけれど、「本当にうれしい部類」に入ることは限られていて。私の中では、「本人のこだわりある積み重ねが実るとき」がその一つ…彼に当てはめれば「学んだ建築が生きるとき」だった。メンバーからも言われるほど「よくわからない」彼だからこそ、彼自身が選択した学びを生かして、若い子と関わって、笑顔をもたらしていたことが心の底から嬉しかった。本人も楽しそうだったし。泉ちゃんには頭が上がりません。あと指先を映してくださったカメラさんにも。

 

薮宏太

キャスター仕事をください。

神様からの授かりものと称してもよい声質、舞台で培った発声。JUMPの中では微笑みたたずむポジションである彼に、声で伝える仕事は適役に違いない。スイカ作り、視覚をたよれない子どもにとって、彼のやわらかい声がどれほど道しるべになっただろうか。なお朝一番の中継は爽やかで非常に新人アナウンサーっぽかった(ほめてる)。ワイプであれだけわんわん泣ける強い人がどれほどいるだろうか。両手を合わせて子どもたちを応援する姿は愛と夢を歌うものとしてふさわしすぎるカットだった。やっぱりね、薮くんが大黒柱だよ。愛でメンバーを包んであげて欲しいから、私は薮くんが傷つかないようにエールによってやわい盾程度だとしてもなりたい。

 

有岡大貴

いつ見ても百面相。彼はコメントに安定性がないのだけれど(あえて落としに言っている気もするが)(激甘)、表情に関してはいつもアイドルらしくあって、そこが好きだ。改めて思った。実生活は弟なのに、ゆずきくんの前で全力でおにいちゃんな姿がたまらなかった。月並みな言葉かもしれないけど、自担がこの人で本当によかった。あと、喋り方に熱があるんだよなあ。一生懸命感があるというか、全部に音楽記号のアクセントとかスタカートがついてるというか…。だから世界記録挑戦企画に彼が関わったのは大正解だと思う。

地方局下だったので、彼の関わった企画をリアルタイムで見られなかったことが本当に悔しい。同じ時間軸の中で鳥肌立たせたかった。ゆずきくんの頑張りをみて、すこしでもわかった気になりたかった。それだけは心残り。 

 

高木雄也

怖そうに見えるけど、最高に優しいお兄ちゃん。それが高木雄也なのだ。どれくらいTV越しに伝わったのだろう。そしてどれくらい、彼が、何より企画に関わった子どもたちが悔しかっただろう。とはいえ自然の思し召し。中止のお知らせが彼の口からきけただけでもいいのかもしれない。

そういうわけで、もしかしたらここに彼は出なかったのかな?というところに高木くんは出演していた。それが「深夜しゃべくり」と「ギネス大縄」だった。「深夜しゃべくり」ではパブリックイメージにあわせた高木くんが展開されていた。JUMPの中で深夜トークができるの(というより、公式的に許されていそうなの)、高木くんだけじゃない?(ほめてる) 私が声を大にしていいたいのは、そこよりも小学生の大縄ギネス挑戦企画*3での高木くんなのだけれど。

飛び終えた小学生に「つかれてるのにごめんね、」ってひとことはさむ彼を見て驚いた。時間的にもタイトな中で、あんまりそういうことって考えないものだという感覚が自分の中にあって。だからこそ彼の細やかさにひどく心が揺さぶられたのだと思う。子どもを見る目が本当に優しかった。今この感想を読み返してみたら、この時の高木くんが人として好き過ぎたのだろう、熱を持ってつづりすぎていたことに気づいた。

来年でもいい。またJUMPがパーソナリティをつとめるときでも良い。この企画を実現させてほしいと心から願う。

 

JUMPちゃん以外のことに言及するとすれば、今年の企画は前向きな企画、障がいだけではない様々なテーマを扱った企画が多く、ハードルをあげすぎずにみることができた。つらいかわいそう、じゃなくて、かっこいいうれしい、そういう感情が私の中ではるかに勝っていた。知念ちゃんが参加した劇ではあえて音を消してみることにしたし、和太鼓パフォも変な色眼鏡かけずに見ることができた。一番印象的だったのは倫太郎君。ことば、表現が巧みで、生きることに対する構え方が本当にしなやか。こういう清さとつよさを大事にしたいと思ったし、彼のことを心から尊敬した。

 

STOMP

 知念ちゃんの企画を消音で見て、聴覚情報がない世界の難しさを肌で感じた上で、打楽器経験者はストンプを見た。なんであわせられるのかが分からない。本当に、子どもたちの感覚が、集中力が優れているのだと思う。そして、一生懸命にパフォーマンスをするときと言うのは思わず顔がこわばってしまいがちなのだが、目を輝かせて、笑顔でやりきる様子は見てて元気がもらえるパフォーマンスだった。

 

メドレー

 Music For The Peopleがながれ、歌が始める直前にV字でならんだ彼らを見たときに、「できジュがいっぱいいる…」と泣きそうになった。彼らはV6兄さんのバックについていない世代だったからだ。一人ひとりダンスの傾向が違っていたのでにやにやしながら

みてガン見していた。汐留に足向けて寝られないこまった。愛なんだはかわいかった。

 

とどめのUltraMusicPowerについて。

泣きそうになった目から涙が零れ落ちてきた。デビュー曲であり名刺代わりになる曲。二つのタスキを背負わされた曲なんだろう。愛と平和と未来を感じる歌詞と音に、「名曲」を感じない選択肢はない。途切れずにこの曲を披露しつづけているのだから、もちろん彼らにとっても大切な曲のはずで。初めて生で歌ってるのを見るってだけじゃなくて、24時間テレビを見てこの曲の重みを知ってからライブに臨むことになる私は、そのときどんな感情になるのだろうと思考をめぐらせる必要がある。

 

総括: JUMPちゃんの「ひく」力

引く、惹く。どれも読みは同じだが意味は違う。はじめから、「身を引く(退く)」「人目を惹く」といった使い方をする。ゆとり世代と揶揄され、争うことなく高めあう選択をした彼らは、9人の中の誰かや、自分たち以外の他人を立てるために「一歩退く」力を持っている。これが「箱庭」とか「内弁慶」といわれてしまうこともあり、現実にいままで彼らがアウェイな中で*4戦わざるを得なくしていた。ただ、やはり彼らはアイドルであり、「人目を惹く」力は先天的にも後天的にも獲得している。24htvのアイコンとして彼らが今年登用されたことは、やはり一つの階段をのぼったととっていいのではないか。

平成の世に生まれ、アイドル稼業にいそしんできたからこそ見えてきた2つの「ひく」力を、これからも高め、よりよいコンテンツを提供して欲しいと思う。

========================================

題名のない本の、次の章が開かれた。まだ真っ白なページに、決定事項にしたい未来や押し付けたい理想を思わず油性ペンで書きなぐりたくなる。でも、それはできない、それはしない。今の彼らなら、夢追い人じゃない彼らならば、きっと臨んだ明日をつかまえにいける。私はそう信じている。

To be continued...

*1:食事会にて、食べ「ながら」話を聞いていたことを注意されたときに、V6兄さんがどんどんと食べ物をくれるので残さないようにと彼なりに考え一生懸命食べていたと反論

*2:本人の発言が終わるまで待つのには何か意味があるのだろうか?

*3:薮くんと二人、年長さんコンビで進行役。足長くて細くてちょおかっこよかった…

*4:有岡君10000字インタビューより